本日開幕の秋季高校野球関東大会。
今年は神奈川で、来春センバツ切符を賭けた関東の強豪同士の対戦が始まりました。
1回戦の会場は横浜市の保土ヶ谷球場と川崎市の等々力球場です。
私は保土ヶ谷球場の第1試合、千葉2位の拓大紅陵と茨城1位のつくば秀英との一戦を見てきました。
保土ヶ谷球場、神奈川のアマチュア野球のメッカとして知られる球場で、古い話をすれば「ドカベン」の明訓高校が神奈川県大会を戦った球場です。
1949年開場の歴史のある球場ですが、過去2度改装されており外観・内観とも清潔感があります。
サイズは両翼95M、中堅120Mとやや狭めではあるものの、内野の土、外野の天然芝とも整備が行き届いている「メッカ」と呼ばれるにふさわしい美しい球場ですね。
さて、球場紹介はこのくらいにして肝心のゲームの方です。
紅陵は左腕の宮澤投手、秀英は右の中郷投手、ともに背番号11の投手の先発です。
宮澤投手、初回は走者を二人出すものの無失点。
ストレートの球速は120K台ですが、腕の振りがコンパクトで、ボールの出所が見えずらそうなフォームです。
スピードガンより体感的には速そうに見える印象です。
一方の中郷投手、初回から制球が定まりません。
トップの阿部選手に一二塁間を破られると、暴投と2四球で一死満塁。
5番の内田選手がタイムリー、さらに押し出しで紅陵が2点先制。
秀英ベンチ、ここで早くもエースナンバーの羽富投手にスイッチ、しかし8番の宮澤選手にも押し出しを与えて、紅陵、幸先良く3点ゲットです。
3塁側スタンド、初回から「チャンス紅陵♪」が鳴り響きます。
ただ、秀英の櫻井監督の早い決断が、結果的には大正解になりました。
羽富投手、2回以降は130K後半のストレートを軸に紅陵打線に付け入るスキを与えませんでした。
そして2回、紅陵にとっては(悪い意味で)このゲームを象徴するプレーが飛び出してしまいます。
二死二塁から、8番羽富選手の当たりはショートとレフトの間に高く上がるフライ、一度はショートの秋森選手がレフトの平山選手に「お前が捕れ」と指示したように見えましたが、何となく両者お見合いで間に落ちてタイムリーとなってしまいます。
高く上がった打球で、どちらがいっても捕れそうでしたから、記録はヒットとはいえ実質エラーで相手にあげた点になってしまいました。
続く3回にも3本の二塁打を集中され、紅陵、あっという間に同点とされてしまいます。
特に2点目のタイムリーとなった秀英5番の稲葉選手の当たり、確かに捉えた打球をレフトの後ろに運びましたが、レフトの平山選手、一直線に追っていれば追いつけそうな打球ではありました。
ちょっと足をもつれさせた感じでしたね・・・
さらに4回、一死一塁から秀英1番の吉田選手がレフト線を破る二塁打で、一走石井選手がホームイン。
これもレフトが上手く捌いていれば、一走は三塁止まりだったのでは?とも見えるプレーでした。
スコアはそのまま7回まで進みますが、表の秀英の攻撃、紅陵にまたしても守備の乱れが出てしまいました。
投手は5回から紅陵エースナンバーの中村投手に代わっていましたが、一死後、4番の知久選手の当たりは平凡に見えるショートゴロ。
これを秋森選手が後逸、二死一二塁となった後、7番の沢畑選手にレフト前タイムリーを打たれて3-5。
2点差ですから、ゲームが決まったとは言えませんでしたが、紅陵の失点は悉く守備の乱れにつけ込まれたもので、ムード的には逆転は厳しくなってしまいましたね。
5回裏の紅陵の攻撃で、二死三塁から4番の加藤選手のセンター右へのライナーを秀英センター沢畑選手が俊足を飛ばしてスーパーキャッチを見せたのとは対照的でした。
気の毒な言い方になってしまいますが、紅陵はレフトの平山選手とショートの秋森選手が、チームの勢いを止めるプレーをしてしまいましたね。
結局ゲームはこのまま秀英が押し切り、そのままのスコアでゲームセット。
紅陵は2004年以来のセンバツ出場は絶望的となってしまいました。
特に守備で精彩を欠いた平山君と秋森君はとてつもなく悔しい思いをしていると思います。
ただ、もちろん敗戦は二人だけの責任ではなく、安打数では13本と5本で圧倒され、打線が最後まで羽富投手を捉えられなかったことも大きな要因でした。
紅陵ナイン、無念だとは思いますが、新チームはまだ始まったばかり、来夏に向けて捲土重来を期してもらいたいものです。
あと、千葉と茨城の隣県対決、昨年夏の甲子園では専大松戸が土浦日大に敗れ、同じく昨年秋の関東大会では、やはり専松が常総学院に敗れています。
これで3連敗・・・
千葉大会優勝の千葉黎明は、明日、埼玉の西武台と初戦を戦いますが、順調に勝ち進めば準決勝で茨城2位の霞ヶ浦と対戦の可能性があります。
この大会中にリベンジが叶うかどうか?
相手が勝ちあがるかどうかもわかりませんから、甚だ心許ないですが・・・
隣りに負けっぱなしというのも「何だかなぁ」という感じです。
ただ、いずれにしても黎明ナインには、初の甲子園目指しての溌剌プレーを期待ですね。
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