【夏の高校野球2025千葉大会決勝】市立船橋VS八千代松陰

いやはや何とも壮絶なゲームになりました。
市船は去年に続けて決勝タイブレーク。
去年は守備妨害が絡んだ悔しすぎる負け方だったこともあったのでしょうか?
4点ビハインドの10回裏、凄まじい執念でしたね。

ゲームは常に松陰が先手を取り、市船が追いつく展開。
互いに投手を繋ぎあい、松陰が高橋-石倉-三上の3投手、市船も諸岡-島田-川崎のやはり3投手のリレーとなりました。

とにかく色々な事があったゲームなので、要約するのが大変なのですが(笑)
県高校野球史に残るどころか、№1の名勝負だったかもしれません。

松陰は初回、いきなりの連打で無死一三塁のチャンスから市船のバッテリーエラーで先制。
さらに3回、二死二塁から勝部選手がタイムリー三塁打で2点目。
左腕エースの高橋投手も球速は120Kを超える程度ながら、スローカーブを織り交ぜ市船打線を翻弄。
ゲームを優位に進めます。

市船は5回、9番吉崎選手がレフトスタンドにホームランで1点差にすると、二死から打線が繋がり二死満塁、6番の井上選手が死球を取って追いつきます。

市船2番手の島田投手、4回からの登板でしたが、サイドハンドから制球良く松陰打線を封じ込め、このまま市船が流れを掴むかと思いきや、6回表、一死から勝部選手に死球を与えておかしくなります。
内山選手のライト前ヒットで一三塁。
8番石倉選手の打席でワイルドピッチ、再び勝ち越しを許します。

両チームとも投手がギリギリを攻めようとするからか、死球が多い試合になりましたね。
6回には市船3番の花嶋選手が松陰2番手の石倉投手から顔にぶつけられて、10分以上を治療に費やす場面もありました。
普通のゲームなら交代しているのでしょうが、甲子園を賭けた決勝戦。
臨時代走を送られながらも、7回の守備では顔に包帯を巻きながら戻って来ていました。

その執念が実ってか?
市船7回裏の攻撃、5番の松原選手がセンター前ヒットで出塁、送りバントで一死二塁から7番の満崎選手がライトへのタイムリー。
松陰もなかなか流れをつかみ切れません。
7回終了時点で3-3の同点です。

投手は互いに3番手、市船はエースナンバーの川崎投手、松陰は準決勝に続いてショートからマウンドに登った三上投手。
息詰まる投げ合いで延長タイブレークにもつれ込みます。

押し出しありバッテリーエラーありで、互いに綺麗に点を取っているわけではありませんが、こういう負けられない試合は、どうしても投手も慎重になるので、かえってこんな展開になりがちです。
ただし、タイブレークの10回表裏は、ちょっと誰も予想できないような凄まじい攻防になりました。

先攻の松陰、無死一二塁から送りバントが決まって一死二三塁。
勝部選手のタイムリーでまず1点、次打者の内山選手は三振に倒れるも一走の勝部選手が二盗成功で二死二三塁。
7番の高橋捕手がタイムリーで2点追加、四球とヒットで満塁になり下平選手が押し出しをゲット。
川崎投手、ちょっとストライクが取れなくなっていましたね。
この時点で松陰は4点リード。
裏の市船の攻撃も無死一二塁からとはいえ、さすがに決まったか、という感じではありました・・・
ただ、なおも二死満塁で打席に立った矢島選手、アップアップだった川崎投手のボールになるカーブを振って三振。
まぁ、ゲームの大勢には影響ないだろう、と思われましたが、振り返れば大きな三振だったかもしれません。

長々と書き連ねてしまいましたが、本当に凄かったのはこの後。
10回裏、松陰のマウンドには三上投手。
もう彼も疲労困憊だったのかな?
ストライクが入らず連続四球で、市船がまず1点を返します。
続く花嶋選手は真ん中低めを捉えてセンターの頭を超える二塁打。
1点差に迫りなお無死二三塁。
代打の清水選手は死球、もう三上投手は握力がなくなっていたのか?真ん中付近でしかストライクが取れないように見えました。
それでも、もう松陰には代わる投手はいません。
三上投手、気力だけでマウンドに立ち続けます。
松原選手を何とかセンターフライに打ち取りますが犠飛となって同点。
もう市船は押せ押せです。
ただ、疲れから制球がままならないのは川崎投手も同じ、市船サイドは同点止まりではなく、何とかこの10回で決めきりたいところです。
続く井上選手も四球を取りまたまた満塁。
ただし、満崎選手はショートフライで二死満塁となります。
サヨナラか?同点で11回の攻防か?
緊迫感がMAXになりますが、打席には打撃にも定評のある川崎投手。
三上投手、押し出しだけは嫌だったのだと思います。
スーっと甘い球を投げてしまいました。
川崎選手が見逃さずにピッチャー返しの打球をセンターに運んで、死闘にピリオド。

市船が去年の雪辱を果たして甲子園行きを決めました。

松陰、常に先手を取って主導権を握っていたゲームでしたが、最後に力尽きました。
マウンドに崩れるようにうずくまった三上投手の姿に胸が詰まります・・・

チバテレ解説の大野さんが言っていましたが、去年の悔しすぎる敗戦から、市船の何としても勝ちたい気持ちがほんの少し松陰を上回ったと、そういうことなんだろうと思います。

死力を尽くしあった両チームナイン、おつかれさまでした。
市船ナインはしっかり調整して、甲子園での健闘を期待です。

高校野球としては珍しく、4時間以上のロングゲームとなり、マリーンズのゲーム開始時間に間に合いませんでしたが、もうマリーンズのヘッポコ試合など見ている場合ではありませんでしたね(笑)
物凄い激闘、野球ファンとしていいものを見せてもらったという思いで、市船ナイン・松陰ナインに感謝です。

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