月曜の試合だというのに、超話題の大船渡高の佐々木投手や甲子園を沸かせた選手達が出場するとあって、神宮球場はほぼ満員の観衆で埋まりましたね。
私自身はBS朝日でのTV観戦でしたが、初めてライブ映像で佐々木投手の投球を見ることができました。
率直な感想としては「やっぱり凄い・・・」としか言いようがないですね。
左足を高く上げるダイナミックなファームですが、腕の振りは軽い感じで全力投球しているようには見えませんでした。
それでも球速は156K。ストレートが速いだけでなく、カーブやフォークといった変化球の曲がりも鋭く、制球力もありそうです。
やはり大事に使おうということなのか?初回のみの登板でしたが、大学生の猛者を相手にしていないような感じすらありました。
星稜の奥川投手や創志学園の西投手も、当たり前のようにストレートは150Kを超えてくる剛腕投手ですが、(二人には失礼かもしれませんが)ちょっとモノが違うというか、異次元のレベルを感じさせる投球だったと思います。
高校生段階の能力の埋蔵量(という表現が適当かどうかはわかりませんが)という点では、あの江川卓さんをも凌いでいるかもしれませんね。
近い将来、夢の170Kを記録する可能性さえ感じさせます。
ただ、気になる部分もあります。
手足がまだまだ細長く、いかにも華奢な体型でスタミナ面で不安がありそうなこと。
また、他の選手は例外なく真っ黒に日焼けして精悍な面構えをしていましたが、彼一人は(あまり屋外でのトレーニングをしていなかったのでしょうか)やや青白い顔で、風貌も繊細そうに見えたことです。
まぁ、顔つきで判断してはいけないでしょうが、性格的にプロ向き、という風には見えませんでした。
あの体型や風貌から、大船渡高の監督さんが「無理をさせて潰すわけにはいかない」と判断せざるを得なかった?のも理解できる気がします。
また、今更言うのも・・・という話ですが、ひょっとしたら歴代日本人のトップかもしれない素質を持った高校生を特に野球強豪校ではない公立校で預かっていたわけですから、その指導者としてのプレッシャーたるや、我々には想像できないものだったかもしれません。
おそらくU18の永田監督も、登板間隔を充分に空けて、大事に使うのではないでしょうか?
そしてドラフトですが、複数球団の一位指名はまず間違いないでしょう。
どの球団に入っても、まだ身体が成長しきっていない、と各所で指摘されているようですから、しばらくは二軍で体力造りから。ということになるとは思いますが、体型が変わってしまってストレートの球速が落ちてしまった、なんてことになれば一大事ですし、育成が難しい投手かもしれませんね。
それもこれも、持っている素質が凄すぎるが故ということでしょうが・・・
マリーンズはどうするのかな?
あと、別の話題を一つ。
高校代表の応援に、習志野と拓大紅陵のブラスバンドがコラボ演奏していましたね。
甲子園の千葉県代表を争うライバル校同士ですが、さすがに両校ともレベルが高く、息のあった迫力ある演奏を聞かせてくれました。
「レッツゴー習志野」「チャンス紅陵」千葉が誇るそれぞれのオリジナル名曲を同じ試合で聞けるのも、贅沢感がありました。
8、9回に登板した習志野エースの飯塚投手が、土壇場で引き分けに持ち込まれたとはいえ、彼らしい度胸満点のストレートで押しまくる投球を見せてくれたのも、ブラスバンドの諸君への御礼という気持ちがあったのかもしれませんね。