【高校野球秋季千葉大会2022】市立船橋VS専大松戸

汗ばむ陽気の秋晴れの中、関東大会出場をかけて行われた高校野球秋季千葉大会準決勝。
第一試合は今夏甲子園出場の市立船橋と昨年春夏甲子園の専大松戸の顔合わせ、県西部を代表する強豪同士の対戦になりました。
今秋季大会準決勝・決勝は売り場前の人混みを避けるためか、チケットの当日売はなく、前売りのみでしたが、好カードということもあってか、県野球場の内野席は8割方埋まる盛況ぶりでした。

盛況の内野スタンド

まだマスク着用で、声を出しての応援を控えるようアナウンスがされていましたが、ブラスバンドの応援演奏は解禁、だいぶ高校野球らしさが戻ってきましたね。

試合は市船稗田、専松平野の両本格派投手の先発でスタート。
特に背番号18の平野投手、なかなかの剛腕投手です。
ゆったり目のオーソドックスなフォームから140K台後半のストレートをバンバン投げ込んできます。
専松といえば、ホークスの高橋礼投手やマリーンズの横山投手、それに昨年のエースだった深沢投手(現ベイスターズ)といった、アンダー・サイドハンドの投手が多い印象がありましたが、彼の速球投手としての将来はとても楽しみです。
フォームに変な癖がないので、身体が出来上がってくれば球速はもっと出そうな感じがしますね。

専松平野投手

ゲームは序盤から稗田投手を捉えた専松が押し気味の展開。
2回表に8番の広川選手のタイムリーで先制、次打者の宮尾選手のセーフティスクイズも決まります。
その裏、1点返されますが、4回には7番上迫田選手のホームランなどで2点を追加、4-1として優位にゲームを進めます。
専松下位打線の活躍が目立った前半でした。

専松、先制のホームイン
4回にホームランの上迫田選手

市船打線も決して平野投手相手に沈黙していたわけではなく、結構捉えた打球はあり、チャンスは作るのですが中盤はあと一押しが出ませんでした。

このまま専松が押し切るかと思われたゲーム終盤でしたが、7回だったか、平野投手が突然ケガの治療とのことで15分ほどベンチからでてこない時間がありました。
ケガといっても特に接触プレーがあったわけではなく、どこをケガしたのかまったくわからなかったのですが・・・
8回表には、今度は市船のサード吉田選手がポジションで突然倒れて控え選手に背負われて退場。
彼も接触プレーはなかったはずですし、よくわからないのですが熱中症か何かだったのですかね?
とにかくケガの治療タイムが多いゲームで、8回裏には専松ライトの太田選手が守備位置前のライナーに突っ込んでケガ、代わってライトに入った清水選手も足をつって?タンカで運ばれるという、ちょっと大丈夫か?っていう展開になってしまいます。

そのあたりが影響したのか?
専松、二死満塁のピンチで、ショートの中山選手、さして難しそうにも見えない打球をファンブルしたうえに一塁へ悪送球。
その前には平凡なファウルフライをサードの大森選手が落球というプレーもありました。
そして二死一三塁から市船上林選手のタイムリーで、まさかの?同点。

8回、同点時点のスコアボード

市船は貰ったような得点でしたが、その幸運を呼び込んだのは、6回から登板して好投を続けた工藤投手でしょう。
彼も右の本格派、今時珍しくなった大きく振りかぶるワインドアップから、渾身の速球を投げ込んできます。
平野投手ほどの球速はありませんが、気迫が伝わってくる好投手ですね。

大きく振りかぶる工藤投手

そしてゲームは延長へ、決着がついたのは11回。
表の攻撃の専松、8番広川選手が左前打、9番宮尾選手が送り、1番大森選手は四球、二死から3番中山選手が三塁横を抜くタイムリー。
再びの勝ち越しです。
中山選手、8回の同点劇につながるエラーをバットで取り返しました。

そしてその裏、市船先頭打者の工藤投手はライトの頭上を越すスリーベース。
投打の活躍は敢闘賞ものですね。
ただ、ここで踏ん張った平野投手は立派でした。
続く3人を、三ゴロ、遊ゴロ、二ゴロに打ち取りゲームセット。
専松内野陣も今度は落ち着いていました。

最終スコアボード

平野投手、結局173球完投。
もちろん充分賞賛に値する投球なのですが、将来ある投手。
あまり無理はさせてほしくないなぁとも感じました。

ともあれ専松、第二試合で拓大紅陵を下した成田とともに関東大会出場決定です。

勝利に沸く専松応援席

二年ぶりのセンバツ出場に手が届くところにきましたね。
一方の市船、結果的には相手の守備の乱れにも助けられて延長に持ち込みましたが、率直に言わせてもらうと、投打とも力としては(専松に)やや劣っていたかな?というのがゲームを見た正直な感想です。
ただ、高校生は一冬で大きく変わります。
来年の夏を目指し、市船ナインの成長を楽しみにしたいと思います。

その前に、今年は埼玉開催の関東大会、専大松戸・成田、両校の健闘に期待です。ぜひセンバツ切符をゲットしてください!!

市船ナインの応援席への挨拶
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