壮絶な決勝戦、先ほど終わったばかりですが、ちょっと何と言うか想像もつかない結末になりましたね。
市立船橋の工藤投手、木更津総合の千葉投手が一歩も譲らない投手戦。
似たタイプの右の本格派ですが、二人ともストレートの最速は140Kを超える程度。
昨今としては決して驚くような速さではありませんが、制球が安定していて緩急の使い方が上手かったですね。
特に工藤投手、ここぞという場面の低めに落ちるスプリットは見事に木総打線を翻弄していました。
二人ともこの猛暑の中、150球を超えてもバテるどころか終盤にボールの威力が増しているような感じでした。
いかに普段から鍛錬を積んできたのかがよくわかります。
頭が下がる力投ぶりでしたね。
市船は3回、トップの合津選手の三塁打から平野選手の三塁線に打球が止まる内野安打で先制。
木総は5回、鈴木選手のヒットから送りバントで一死二塁、打席に立った千葉君が自らタイムリー二塁打を放ち追いつきます。
そして9回で決着がつかず、延長タイブレークに突入。
木総は千葉君に代えてエースナンバーの石沢投手をマウンドに送ります。
10回表の市船の攻撃、無死一二塁から大木選手が送りバントを決めて一死二三塁。
ここで県大会決勝史上に残る予想外の場面が訪れます。
木総の羽根捕手、三走恒田選手が飛び出し気味になったのを見逃さずに三塁送球、これが恒田選手に当たってボールはファウルグラウンドを転々・・・
市船勝ち越しと思われましたが、球審の判定は恒田君の守備妨害。
二死二塁となってしまいます。
リプレイ映像で見る限り、恒田君がかなりラインの内側を走っており、キャッチャーとサードのグラブを結ぶ線上にいたように見えます。
私には、故意ではないにしろ、送球の妨害行為ととられても仕方のない走塁だったように見えました。
ただ、市船の海上監督、納得がいかずに兼川主将を通して再三の抗議。
確かに1点勝ち越して一死三塁か、無得点で二死二塁かでは天と地ほども違います。
しかし、いかにも抗議が長すぎましたね。
20分ぐらいだったですかね?兼川君、ベンチの監督と球審の間を行ったり来たり、気の毒でした・・・
海上監督、気持ちはわかりますが、野球規則では「審判員の裁定は最終」
長すぎる抗議が勝ち運を遠ざけたようにも見えました。
結局10回表、市船は無得点。
ゲームはその裏、今度は木総の無死一二塁から和田選手が三塁側に送りバント。
工藤投手がマウンドを駆け降りて、一瞬三塁に送球しようとしますが、三塁ベースは無人、慌てて一塁に投げたボールは悪送球となり、二走の吉沢選手が一気にサヨナラのホームイン・・・
誰もが思いもしない形で決着がつき、木総が6年ぶり8度目の選手権出場を決めました。
ただ、木総は決して審判の判定に助けられたわけではなく、勝つべくして勝ったように思います。
工藤君に頼り切るしかなかった市船に対し、木総はエースナンバーの石沢君をジョーカーとして使えましたからね。
あと、勝利監督インタビューで五島監督もおっしゃられていましたが、2年前の決勝で市船に敗れた悔しさ、3年前の決勝で専大松戸にサヨナラ満塁弾を浴びて敗れた悔しさ、先輩達の無念をどうしても晴らしたい木総の執念がほんの少し上回ったということかな。
市立船橋高校ナイン、悔しすぎる結末でしたが、県大会史に残る死闘を演じたことを誇りに思ってほしいと思います。
そして木更津総合高校ナイン、優勝おめでとう!!
見事な戦いぶりでした。堂々と甲子園に乗り込んでください。期待してます!!
にほんブログ村