序盤から、勢いのあるボールを低めに集めて、攻略は難しそうな投球でしたが、5回の集中打は見事でした。
何といっても、先頭打者だった井上選手の同点弾が大きいですね。
甘いボールではありましたが、彼らしい豪快なフルスイングから、文句なしの打球をレフトスタンドに運びました。
まだリードされた局面ではありませんでしたが、山岡投手にすれば、やられた感の残るショッキングな一発だったかもしれません。
その井上選手、29歳にして覚醒したというか、最近の活躍ぶりは凄まじいものがありますね。
プロで名を残すスラッガーは、遅くとも26歳のシーズンまでにはレギュラー定着を果たしているものですが、これまで燻り続けた長距離砲タイプの打者が30手前で別人のように打ちまくるというのは、長い球史のなかでもかなりレアなことだと思います。
ある意味、選手の才能を簡単に見切ってはいけない、ということを教えてくれたプレーヤーかもしれません。
できうるならば、この活躍を短期間で終わらせずに少なくとも数年間はホームランバッターとして、レギュラーでいつづけてほしいものです。
また、同じ29歳でバースデー勝利を飾った唐川投手ですが、こちらは井上と違って高卒一年目からローテに入っていた投手です。
ただ、ここ数年はたまに好投しても一過性に終わってしまい、実質一軍半の状態が続いていますね。
今日のヒロインでも「誕生日どころではない」と言っていましたから、自分でも置かれた立場はわかっているのでしょう。
しかし、今日の投球は緩急を上手く使った彼本来の内容であったと思います。
問題は、今後もこの内容を続けていけるか?でしょう。もちろんそうあってほしいと願っていますし、今後マリーンズが優勝争いに割って入っていけるか、カギを握る29歳の二人ですね。