【都市対抗南関東大会2021】社会人の千葉ダービー

パリーグ優勝に向けて奮闘中のマリーンズの影で、マリンスタジアムでひっそりと?行われているのが社会人野球。
都市対抗野球本戦出場を賭けた最終予選の南関東大会です。
東京ドームの本戦は、通常夏に行われるのですが、昨年と今年は東京五輪の影響で11月開催。
各地区予選も秋口に行われています。
そして南関東大会は千葉・埼玉の予選の上位3チームずつ、合わせて6チームが3つの枠を目指して都市対抗予選独特の複雑な方式のトーナメントを戦います。

6チーム中3チームが本戦進出ですから、県によっては100校以上が予選に参加し、甲子園枠はたった一つの高校野球などより、かなり楽にも思えます。
ただ、強豪チームとなると「だから絶対に(本戦に)出なくてはならない」というプレッシャーは半端ではないそうです。
何しろ彼ら、一般社員の方々が稼いだお金で野球をさせてもらっている、という意識が強いですし、元ベイスターズ、現在はJFE東日本の投手として一昨年の都市対抗優勝投手となり、橋戸賞も獲得した須田投手は「プロ選手は職業が野球、社会人選手はサラリーマンとして担当業務が野球」と語っています。
(出典:ベースボールマガジン2019年12月号「社会人野球大百科」)
野球をやって社員の期待に応えて、東京ドームに行くことが担当業務ということですね。

前置きが長くなりました。
今日、私が観戦したのは第2代表決定戦、そのJFE東日本(千葉市)日本製鉄かずさマジック(君津市)の千葉ダービーの一戦です。
コロナ禍となってからは個人的にも初めての生観戦。約2年ぶりの球場です。
やっぱり野球場はいいですね。ゲートをくぐってフィールドが広がると心が躍ります(笑)

JFE、昨日の第1代表決定戦では埼玉の日本通運に0-9の大敗。
かずさマジックとは2回戦で当たり、7-3で勝利していますが、敗者復活で勝ち上がった相手との再戦ということになりました。

この両チーム、ともに鉄鋼大手、業界再編前にそれぞれ「川鉄千葉」「新日鉄君津」と名乗っていた頃からのライバル同士ですね。
そして、かずさマジックを率いるのは元マリーンズ、サブマリン投手として鳴らして、2005年のリーグ優勝、日本一のシーズンには15勝をあげ、翌年のWBC日本代表にも選ばれた渡辺俊介氏。
マリーンズ時代と同じ、背番号31を身にまとってチームの指揮をとります。

背番号31のかずさマジック渡辺監督

接戦が予想されたゲームでしたが、序盤から一方的な展開となってしまいます。
私が入場したのは、3回の表が終わるあたりでしたが、その時点で既に5-0でかずさマジックがリードしていました。
JFE、どうしたのでしょう?
昨日の大敗のショックがさめやらないのでしょうか?

それでも4回裏、4番の平山選手が目の覚めるような強烈なライナーでレフトフェンスオーバーの2ラン。
反撃の狼煙かと思われます。

追撃の2ランを放ちホームインのJFE平山選手

ただ5回表、今度はかずさマジック1番の内山選手に一発。
流れを引き戻すと、5回裏途中から登板のサイドハンドの橘投手が好投、JFEにつけ入るスキを与えず、打線も小刻みに加点。
橘投手、一昨年はJFEの補強選手として優勝メンバーに名を連ねていましたね。
今日はベテランらしく、コーナーを突きながら打ち気にはやるJFE打線を翻弄、ナイスピッチでした。

5回表、ホームランの内山選手を迎えるかずさマジックベンチ
5回裏途中から登板、好投の橘投手(かずさマジック)

JFEは8回から、優勝時に先発の柱として大活躍だった本田投手をマウンドに送りますが、時すでに遅し、ですね。
結局9-2。意外な大差でかずさマジックが勝利。東京ドーム進出を決めました。
JFEは須田投手の登板機会を作ることさえできませんでした。

予選突破、マウンドに駆け寄るかずさマジックナイン
スコアボード

かずさマジック、昨年の予選では冨里市の新興チーム、ハナマウイにまさかの敗戦。
本大会出場は3大会ぶりですから、ナインや渡辺監督、さぞかしホッとしていることと思います。
おめでとうございます。
試合終了後の応援席への挨拶では、感極まって涙をこぼす選手もいました。相当なプレッシャーだったのだと思います。

一方のJFEは明後日、最後の一枠を賭けて埼玉県行田市のテイ・エステックと対戦。
一回戦では13-2で大勝している相手です。
こう言っては失礼ですが、あまり聞いたことのないチームですし、よほどのことがない限り勝てる相手なのだろうとは思います。
今年は昨年本戦優勝の狭山市HONDAが予選免除。
常連の強豪チームが不参加なのも、幸運といえばそうなのかもしれません。
ただ、去年のハナマウイの例もありますから油断大敵ではありますね。

また、都市対抗と言えば、両チームの趣向を凝らした応援合戦も楽しみの一つなのですが、さすがにまだコロナ禍が落ち着いたとは言えない時期ですから、各チームとも応援団やブラスバンドの派遣はしていません。
今日は、甲子園の高校野球と同じく、あらかじめ両チームが録音しておいた演奏を流していました。

ただまぁ、高校野球のように実質無観客にはせずに、我々一般ファンにも貴重な生観戦の機会を与えてくれた日本野球連盟(JABA)には感謝です。

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“【都市対抗南関東大会2021】社会人の千葉ダービー” への1件の返信

  1. 10月5日の第3代表決定戦の結果です。
    予想外?の接戦となりJFE東日本は4-2でテイ・エステックに辛勝。
    冷や汗をかきながら東京ドーム進出を決めました。

    ただ、この時期のゲーム。マリーンズと一緒で内容よりも勝つことですね。
    そしてJFEとかずさマジックが揃って本戦に出場するのは、2016年以来5年ぶり。両チームの健闘を期待です。

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